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15 戦争経済 落ち目のロシアの武器販売

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初の中国製航空母艦山東」号

 ロシアは、アメリカに次ぐ世界第2位の武器輸出国で、45か国以上に武器を輸出しており、2016年以来、世界の武器販売の約20%を占めている。2020年のロシアの武器輸出は合計150億ドルを超え、注文は500億ドルを超えると言われる。

 上位5つの武器輸入国は、アルジェリア、中国、エジプト、インド、ベトナム

●ロシアは遅れている

 フランスと並んで、武器販売の最大の減少はロシアである。リストにあるロシアの9社は、2020年には2019年より6.5%武器販売が減少した。この減少は、インドと中国が独自に武器工場を開発したことと関係していると言われる。両国はこれまで、ロシアの兵器の大きな買い手だった。中国の最初の空母「遼寧」は、1998年に北京が購入したソビエト製の空母で、2012年に就役した。

 それ以後、中国の空母の生産技術は、ロシアに追いつき、2017年4月に空母「山東」を完成させた。そして現在、インドも独自の空母「ヴィクラント」を2013年に開発し、2022年には就航させる予定だ。両国ともにソビエトの技術であったものを改造して建造されと考えられる。(D.W. 2021.12.5)

 

●ロシアの販売体制

  ロシアの防衛産業は、近代的で技術的に高度なシステムを生産しているが、非効率性、生産能力の低さ、近代的な機械基盤の欠如、限られた革新、民間技術とデュアルユース技術への多様化の取り組みなどで、多くの課題がある。

 ロシアは伝統的に武器販売パッケージで訓練と支援サービスを提供しておらず、ロシアの武器の魅力を低下させている。この慣行は、対外有償軍事援助の顧客に対する包括的なトレーニング、技術、およびサポートの専門知識にアクセスできる米国のトータルパッケージ・アプローチに格差をもたらしている。(米国議会調査局(CRS)2021.10.14)