7 戦争経済 武器輸出の増加癖
世界の兵器生産国は1位アメリカ、2位ロシア、3位が中国だったが、2020年に中国がロシア抜いて2位となった。但し同時期の世界の武器輸出国の順位は、1位アメリカ(93億ドル)、2位ロシア(32億ドル)、3位フランス(20億ドル)、中国(7.6億ドル)は8位であった。中国は製造した武器の大部分を、人民解放軍(PLA)が購入しているための輸出減少である。
●アメリカの武器輸出依存国
米国は依然として武器のトップ輸出国であり、武器輸出のほぼ半分(47%)は中東。サウジアラビアだけで米国の武器輸出の24%を占めている。
米国は現在、96か国に武器を供給している。中東は武器購入は最も急速に成長している市場で、2016-20年には前の5年間と比較して25%多く輸入した。最大の増加は、サウジアラビア(61%)、エジプト(136%)、カタール(361%)による。
●中国の武器輸出国
中国の武器輸出は、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2019年の中国の武器輸出の上位3種は、船舶、航空機、装甲車両であると報じた。
造船は、今後成長が見込まれ、パキスタン海軍は中国からコルベット、フリゲート艦、潜水艦を購入した。
2017年、タイ王国海軍(RTN)は中国に潜水艦を発注した。
中国の無人攻撃偵察機「翼竜」をエジプト、カザフスタン、パキスタン、サウジアラビア、ウズベキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)に販売した。アラブ首長国連邦は、2020年1月のリビアでの空爆中に翼竜-IIを運用した。(CNA InDepth 2021.8.31)
●ロシアの武器輸出国
ロシアの武器輸出国は、中国、インド、インドネシアである。ロシアの武器輸出は22%減少したが、そのほとんどはインドへの武器輸出が53%減少したことによる。(BBC 2021.3.15)
ロシアの長距離地対空ミサイル・システムS-400「トリウムフ」を最初に注文したのは中国で、最新戦闘機の供給契約を中国と結んでいる。戦闘機24機の契約額は20億ドル(約2200億円)。
インドネシアは、ロシアから輸送ヘリコプターMi-17を10機、攻撃ヘリコプターMi-35Pを5機、歩兵戦闘車BMP-3Fを20両購入している。
400社あるロシアの防衛会社は、ヘリコプター、航空機、水上艦のエンジンを含む200以上の異なる武器システムの部品や製品を、ウクライナからの供給に依存していた。クリミアの併合とドンバス戦争の開始後、2014年にウクライナと西側諸国との軍事産業協力の停止が、ロシアの兵器計画に悪影響を及ぼすという。(Cairn.info.webloc 2020.2.17)