20 戦争経済 イスラエルの軍事輸出ポリシー(2020)
イスラエルの軍事輸出は、2020年に83億ドルに達した。2019年と比較して取引契約が15%急増した事になる。
コロナウイルスの影響で売上減少懸念の中、2019年から10億ドルの売上増を可能にした。2020年と同様、軍事輸出の大部分はアジア太平洋地域の国々に向けられたと、国防省の声明は述べた。
政府の統計によると、アジア太平洋地域への売上高は44%、ヨーロッパ30%、北米20%、アフリカ4%、ラテンアメリカ2%である。
製品の種類は、レーダーと早期警報システム、弾薬と兵器がそれぞれ売上の16%を占め、有人航空機と航空電子工学は13%、観測とオプトロニクスも同様だった。
ミサイル、ロケット、防空システムの売上は10%貢献した。
その他の分野には、通信、ドローン、インテリジェンスシステムが含まれていた。
こうした項目を見る限り、ミサイル、船艦、爆撃機などの大型兵器ではなく、イスラエルならではの電子工学を応用した特殊兵器が多く、イスラエルの販売戦略の方向が伺える。
またイスラエル航空宇宙産業は、不特定のアジアの国にドローン技術とサービスを供給するために2億ドルの契約に署名したとのべた。
この契約は、より高度なMKーIIバージョンを含む、IAIのヘロンドローンの販売を目的としている。
2020年にイスラエルのアゼルバイジャンへの武器の供給者は、コーカサスの隣人間の闘争をめぐり、アルメニアから外交的攻撃を受けた。最近のドローンは、遠隔操作による攻撃はもちろん、ドローン自身で攻撃指示を出すシステムも可能になっているので、遠隔操縦の育成に手間取るクライアントの評価は高いと思われる。
イスラエルは過去5年間に、アゼルバイジャンへの武器のトップ供給元として、売上高は7億4,000万ドルを超え、ロシアを上回っている。(資料 The Times of Israel. 2021.6.1)