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37富豪の世界 アジア進出のプライベートバンキング

citi-tower(香港)

 スイス発祥の銀行の一形態で、一億円以上の資産を持つ顧客に資産管理、資産運用を行うのが、プライベートバンキングの役割である。一番資産残高が高いのがスイスのUBS。1998年のスイス銀行コーポレーションとスイス・ユニオン銀行との合併で、「UBS」(正式社名)となる。
こうした中、「Citi」バンク、HSBC香港上海銀行を母体として1991年に設立)などが、アジアの富豪層を狙って進出している。

●香港
「プライベートバンカー・インターナショナル」(2022.4.11)によると、香港、マカオ広東省南部の9つの都市で構成されるベイエリアには、4,240億ドル(2.7兆人民元)の総資産を持つ45万2000人以上の百万長者の家族がいる。そこで「Citi」は、中国のグレーターベイエリアに焦点を当てたプライベートバンキングの推進を強化するため、香港でより多くのウェルスマネージャーを採用する予定という。「Citi」は現在、香港で約4,600人のスタッフを雇用しているが、今年、さらに100人のプライベートバンカーをチームに加える予定という。

●インド
 HSBCホールディングスPLCは、アジアに焦点を当てた貸し手がインドを成長のための重要な戦略的市場として特定した後、1年以内にインドのプライベートバンキング事業を再開する予定であると述べた。
 HSBCは、グループ戦略の一環として、2015年にインドのプライベートバンキング事業から撤退した。収益性は高いが非常に競争の激しいインド市場では、富裕層向けのセグメントに外国人プレーヤーはほとんどいない。そこで同行は、今後3∼5年間でさまざまな事業セグメントでインドの顧客基盤を4倍にすることを目指している。(ZAWYA2022.6.30)