シュールの本棚

マックス・エルンストの『百頭女』の影響を受けて、作品を作ってみました。

コラージュ「仏教の秘密」全24

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第5回は、仏教の秘密を探ってみた。

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1 僧侶 大仏と両壁面の千手観音像(モンタヌス「日本誌」挿絵より着色)

秘密1 宣教師による僧侶批判

 1549年に、宣教師のザビエルがキリスト教を日本に伝えて以来、多くの仏教徒キリスト教に改宗した。改宗の理由は、九州を中心とした大名たちが、南蛮貿易の利益を得るためにキリスト教を保護したこと。そして宣教師たちは布教のかたわら、各地に教会や学校や病院を建設し、貧しい人々への慈善活動を行い、農民の間にも広く信仰が広まった。宣教師らは、日本国民を高く評価したが、僧侶階級については批判的であった。以下の記事はモンタヌス著 『日本誌』 1680年より。

「王についで権力のあるのは僧侶である。宗教上のすべてを支配し、彼等の利権のために忌むべき迷信を信じさせる。彼等は頭を剃り、独身生活をし、言語、容貌、態度において、真に宗教的な人々の儀容を備える。この神聖な外見の下には、淫欲、貪婪、及び復讐がある。しかし盲目な民衆は、僧侶を信仰の権化のごとく思い、この外観のみ神聖な悪魔を支持するために、いかなる費用をも惜しまない。彼等は葬儀、特に貴族の葬儀を注意深く行う。彼等は宗教者としてのみならず、式部官のごとき態度をもって儀式を按排し、棺前に立って執行し、死者のための弔文を唱える。

 彼等には数種の宗派があるが、いずれも坊主と呼ばれる。多くは貴族名門の子弟にして、必要に迫られて僧籍に入る。日本では、この育成のために数カ所の学校があり、これを維持するために大なる費用を集めている。これら宗教界の人々は、往時最高の名誉を得ていたが、キリスト教が説かれるようになって以来、その教義に彼等の面皮がはがれ、その恐るべき真相を露見し、以前の評判が失墜したのみか、彼等の賞賛者だった人々に厭忌されるようになった。」(日本語訳=丙午出版社1925年)72ページ参照)

 作者はモンタヌスはカルヴァン派の牧師で、オランダ東インド会社使節や宣教師の報告などの資料をもとに著述した。仏教の知識をもたない彼らが、こうした感想を抱くのも当然だが、現代の世界の宗教戦争でも、対立する側の宗教の無知から来ているので、当時のことを笑えない。