シュールの本棚

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1ローマの盛衰 フェリーニのローマ(始まり)

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フェリーニのローマ」英語版ポスター

 『フェリーニのローマ』(原題:ROMA)は、1972年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督(1920 -1993)の半自伝的作品。第二次世界大戦の直前にテルミニ駅に到着した作者の故郷の思い出を通して、ローマの活気に満ちた幻想的都市空間を描く。
 カトリック教会のファッション・ショーから閉鎖された家の再建まで、警察との衝突からグランデ・ラッコルド・アヌラーレ(ローマを囲む環状高速道路)での夜の交通渋滞。一連の異質な映像とキャラクターを通してここに表された、複合的で無尽蔵で矛盾したシュールなローマ。スタイルは叙情性から風刺へ、郷愁から日常的な真実へと変貌する。
フェリーニの作品
 1954年に撮影されたイタリアを旅する旅芸人の映画「道」で、フェリーニは国際的に大きな成功を収めた。その後「カビリアの夜」(1957)、「甘い生活」(1960)、「8½」(1963)、「魂のジュリエッタ」(1965)、「サテリコン」(1969)、「フェリーニのローマ」(1972)、「アマルコルド」(1973)、「カサノバ」(1976)「オーケストラ・リハーサル」(1979)「女の都」(1980)と次々と傑作を産み出した。