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12 ソウルの盛衰 韓国のクリスチャン

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ソウルの繁華街にある明洞聖堂

 韓国のキリスト教徒は、韓国統計庁「2015年調査」で約1360万人(約27.5%)、うちプロテスタント約980万人とカトリック約380万人で構成されている。
 統計庁の2014年の「全国企業調査」発表で、韓国のキリスト教団体(教会と宣教団体、祈祷院など)の数は約5万6000カ所で、主にソウル(8,000)、京畿(1万3000)、仁川(3,600)の3地域の合計で約2万4000カ所である。
●年代に見る信者数
日本の植民地時代の信者数は29万人、日韓併合下での抗日運動はプロテスタント教会を中心に行われた。朝鮮戦争(1953年)後には、厳しい生活条件の中で暮らす韓国人の間で、キリスト教は着実に広まった。
1961年(60万7000人)、朴正煕政権の軍事独裁期には、キリスト教会が反独裁運動の重要な拠点となった。
1979年(598万人)、1985年(649万人)、1995年(876万人)に増えた。
2015年(968万人)で、1位の仏教15.5%(761万人)を抜いて19.7%を記録し、プロテスタントが信者数1位を記録した。この時、カトリックは7.9%(389万人)であった。
宗教学者島田裕巳は、ironna.jp(2018.7.25)のなかで、韓国のキリスト教の浸透を次のように紹介している。
 「韓国のキリスト教は、日本のキリスト教とは大きく異なるのである。日本では、キリスト教は、主に富裕層や知識人層に広がった。逆に大衆化は進まなかった。ところが、韓国では、キリスト教は庶民層に広がった。したがって、日本のキリスト教とは異なり、むしろ日本の新宗教に近い、現世利益や病気治療を中心とするものが受容された。その際には、韓国に伝統的なシャーマニズムがそこに取り込まれ、かなり怪しげなものとなった。なにしろ、説教師が神懸りしたりするのである。」