シュールの本棚

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12 ユダヤの秘密 兵器産業

エルビット・システム社の遠隔操作兵器ステーション

 歴史的に、イスラエルの武器輸入は武器輸出をはるかに上回っていた。しかし、過去10年間で、武器輸出は一貫して輸入を上回り始めている。英国のサイト「campaign against armstrade(CAAT 2021.10.7)」に、イスラエルの兵器産業についての詳しい記事が紹介されていた。イスラエルには大規模で技術的に進んだ兵器産業があり、世界有数の武器輸出国の1つで知られている。
 イスラエルの兵器部門は、200を超える公的および民間企業で構成されており、これには、「エルビット・システム社」と、3つの国営企業イスラエル航空機産業」、「イスラエル軍事産業」、「ラファエル」が支配している。
 英国は、イスラエル企業の「戦闘テスト済み」の武器に、毎年数百万ポンドを費やしている。人気のある分野は、ドローン(無人航空機)の分野で、2016年に「エルビット社」は、英国の武器メーカー「タレス」と協力して、8億ポンドの契約の一環として54機の「ウォッチキーパーWK450UAV」を納入した。
 英国は2021年、無人陸上システム・プログラムの一環として、4台の無人ジャガー・リモートパトロールビークル(RPV)の契約をしている。機関銃で武装したこのジャガーは、イスラエルがガザ包囲戦に使用してきた実績がある。

イスラエルの武器輸出
 イスラエルの武器輸出の収益は、2019年に72億ドルだった。2019年の輸出先は、アジア太平洋(41%)、ヨーロッパ(26%)、北米(25%)、ラテンアメリカとアフリカ(4%)で、2019年の売上は2017年の92億ドルよりも少ないが、インドからのBarak-2ミサイル・システムの注文で20億ドル増加した。
 イスラエルの兵器販売で増加した分野に、監視技術を生かした装置がある。この装置は、反対制活動家やジャーナリストを監視するため、多くの政府によって使用されてきた。
 イスラエルの顧客にはミャンマーが含まれ、ミャンマーロヒンギャ住民に対する大量虐殺に関連する主要な軍人との取引を行ってきた。
 ミャンマーへの最近の販売には、「エルビット社」の遠隔兵器ステーションを備えた海軍哨戒艇が含まれる。イスラエルは2021年にミャンマー政権に監視技術を供給し続ける可能性があるという。イスラエルはまた、多くのアフリカ諸国、およびイスラエルの武器、ブローカー、トレーナーにかなりの量の小型武器と軽火器(SALW)を販売し、アフリカの紛争地帯に使用されている。