24 モスクワの盛衰 ロシアンマフィア(終り）
ロシアの組織犯罪やロシアンマフィアは、旧ソ連に端を発する組織犯罪の集団。ソ連の崩壊によって不安定な政府の下、繁栄する闇市場にさらに多くのギャングが出現した。
2012年には、6,000ものグループが存在し、そのうち200を超えるグループが世界規模で活動した。これらさまざまなグループの犯罪者の身元は、元刑務所のメンバー、腐敗した役人や実業家、民族的血縁など。
●1917–1991：ソビエト時代
スターリンの統治時代、何百万人もの人間が労働収容所に送られ、そこで犯罪者がヴォラミ対ザコーネ（「義理の泥棒」）になるために働いた。これら犯罪エリートは入れ墨を通して彼らの地位を伝えた。
第二次大戦時にヒトラーがソビエト侵攻後、スターリンは兵士を募集し、囚人でも軍に加われば自由を提供した。多くが募集に答え、この行為は、「政府に逆らう」とする泥棒の掟を裏切るものであり、参戦しないことを選んだ連中は裏切り者を「雌犬」と呼んだ。追放された者たちは、刑務所職員と協力して、独自のグループを形成し、最終的には快適な位置を手に入れた。グループ間の確執は、1945年から1953年にかけて一連の闘争が激化し、毎日多くの人が殺された。刑務所では、それを刑務所から犯罪者を追い払う方法と見なして黙認した。
また、1970年代から1980年代にかけて、米国は移民政策を拡大し、ソビエトユダヤ人を許可し、ほとんどがブルックリン南部地域のブライトンビーチに定住した。ここがロシアの組織犯罪が米国で始まった根城となる。
●1992–2000：成長と国際化
ソ連が崩壊し、自由市場経済が出現したとき、組織犯罪グループがロシア経済を取り込みはじめ、多くの元KGB局員とアフガニスタン戦争退役軍人が犯罪組織のボスに彼らの技術を提供した。ソ連が壊滅する直前にギャングたちの首脳会談が行われ、共産主義後の国家をどのように引き継ぐかについて計画を立てた。 ヴャチェスラフ・イヴァンコフ（1940～2009）が1992年にブライトンビーチに送られることが合意された。彼はロシアで多くの人々を殺し、またアメリカでロシアの犯罪組織を支配した。 1年以内に、彼は麻薬、マネーロンダリング、売春を含む国際的な事業を構築し、アメリカマフィアとコロンビアの麻薬カルテルとの関係を築き、最終的にマイアミ、ロサンゼルス、ボストンにまで拡大した。
イヴァンコフの治世も1995年6月に終了し、10年の刑に処せられた。
イヴァンコフは、逮捕前のアメリカでの作戦に加え、定期的にヨーロッパとアジアを飛び回り、仲間のギャングとの関係を維持した。
ソ連崩壊末期にアメリカに渡ったファインバーグは、1990年ブライトンビーチからマイアミに移り、ポーキーズと呼ばれるストリップクラブをオープンした。これはすぐに犯罪者の人気のたまり場になった。ファインバーグ自身は国際犯罪グループの大使としての評判を得て、特にコロンビアのコカインディーラーのアルメイダに近づいた。彼のコカイン事業を拡大することを計画して、ファインバーグはアルメイダと腐敗したロシア軍の間の仲介者として行動した。彼は1993年に6機のロシア軍用ヘリコプターを手に入れるのを手伝い、翌年にはコカイン密輸のために潜水艦を購入する手配を手伝った。ロシア軍の連絡先の仲間で、覆面捜査官であるアレクサンダー・ヤセビッチは、違法取引を確認するために派遣され、1997年にファインバーグは1997年1月マイアミで逮捕された。
●2001年–現在
21世紀が幕を開け、ロシアンマフィアは残っていた。新しいマフィアのボスが出現し、投獄されたボスが解放された。釈放されたものの中には、2004年にバラグラとイヴァンコフが含まれていた。イヴァンコフはロシアに引き渡されたが、1992年にモスクワのレストランで2人のトルコ人が殺害されたとして再び投獄された。彼はすべての容疑を免除され2005年に釈放されたが、2009年７月28日ライフル銃で狙撃され10月９日死亡した。
世界中で、ロシアのマフィアグループが特定の地域を支配している。ロシアの組織犯罪は、メンバーが入れ墨で区別されるアトランタ市にかなり大きな拠点を持っている。2009年には、ロシアンマフィアグループは50か国以上に到達すると言われ、2010年には最大30万人のメンバーがいた。2010年にフランスのリビエラ地域とスペインでより強力な支配力を持つロシアの組織犯罪が報告された。
2017年6月7日、33人のロシア人マフィアの関連会社とメンバーが、恐喝、ゆすり、違法なギャンブル、銃器犯罪、麻薬密売、電信詐欺、クレジットカード詐欺、個人情報の盗難でFBI、米国税関国境警備局、NYPDによって逮捕され起訴されている。（資料 ロシア語ウィキペディア）
