シュールの本棚

世界で日々起きていることは、現実を超えて進んでいる

7 インドの盛衰 性別選択的中絶(Sex-selective abortion)

f:id:danbuer:20210718184113j:plain

性別選択的中絶を実践に反対する人たち(写真 scroll.in2019.12.6)

 性別選択的中絶とは、乳児の予測される性別に基づいて妊娠を終了する慣行をいう。
性別選択的中絶は1975年に最初に文書化され、1980年代後半までに韓国と中国で、そしてほぼ同じ時期か少し遅れてインドで一般的になった。
 WHOが発表した2021年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、2019年時点の人口が最も多い国は中国で約14億4186万人。うち男性は7億3,935万人、女性は7億251万人で、男性が3,684万人以上多い。2位はインドで約13億6,641万人。うち男性は7億1,013万人、女性は6億5628万人で、男性が5,385万人以上多い。(この数字のうち、どれだけ性別選択的中絶が関係しているかは特定できない)ちなみに同時期の日本人の男女差は、男性6,195万人、女性6,491万人で、女性が296万人多い。
●中国とインドの出生性比
 世界で最も人口の多い2つの国である中国とインドでは、性比が不均衡となっている。人口統計学によると、予想される出生性比の範囲は、出生時に女性100に対し、男性103から107。
 インドの子供の性比は地域的なパターンを示している。インドの2011年の国勢調査では、インドの東部と南部のすべての州では、子供の性比が103から107の間であり、通常は「自然比」と見なされている。最も高い性比は、インドの北部および北西部の州、ハリヤーナ州(120)、パンジャブ州(118)、ジャンムー・カシミール州(116)で観察された。
●性別選択的中絶防止
 インドの都市部で1980年代を通じてインドでの性別スクリーニング技術の利用可能性が高まり、その誤用が主張されたため、インド政府は1994年に出生前診断技術法(PNDT)を可決した。しかしこの技術が悪用?されているため、2004年に、出生前の性別スクリーニング、および性別選択的中絶を阻止するための法律が制定された。それでも、2007年11月、マクファーソンは、胎児が女性であるという理由だけで、毎年10万件の中絶がインドで行われ続けていると推定した。(出典英語版ウィキペディア