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17 CIAの作戦 ドローン

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MQ-9リーパーとRQ-1プレデター(右上)

 CIAが諜報機関の業務に使用している無人航空機(UAV=Unmanned Aircraft Systems)は、目標とする地域の監視および偵察(ISR=intelligence, surveillance and reconnaissance)に使用される。しかしこれらのUAVのいくつかは、空対地ミサイル(AGM=air-to-ground missile)で武装された機種も実用化されている。この種のドローン(雄蜂)は、1990年代にCIAと米国空軍によって、対象となるエリアへの深い侵入と前方空中観測のために開発された。無人機はパイロットの安全を考慮する必要が無いため、RQ-4のように偵察に特化した機体設計が可能となった。

 無人攻撃機(UCAV=Unmanned Combat Aerial Vehicle) では、偵察で目標を発見した際、そのまま攻撃任務に移行する機種が実用化された。RQ-1プレデター(RQ-1のRは偵察=Reconnaissance、Qは無人機)が、MQ-1プレデター(M=多用途、マルチ)となり、MQ-9リーパーが作られた。

 CIAと国防総省の合同プレデター便は、2000年にアフガニスタン上空でオサマ・ビン・ラディン(1957 - 2011) を捜索し始めた。この便はウズベキスタンの秘密基地から出発。60日間の「アフガン監視プロジェクト」は成功した。非常に鮮明なリアルタイムの画像を提供し、CIA傘下のテロ対策機関CTCの責任者コファー・ブラック(1950生)は、オサマ・ビン・ラディン抹殺に武装プレデターが使えると考えた。彼やCIAの圧力でアメリカ空軍の武装プレデターの開発は大幅に加速され、その運用はブラックが役員を務める民間軍事会社ブラックウォーターが請け負ったとされる。

  CIAはすぐに武装したMQ-Iプレデターを、その増加する在庫に追加した。9/11攻撃の後、米国はパキスタンウズベキスタンから、アフガニスタン上空でMQ-Iを操作する許可を確保した。

 アフガニスタンでの最初の武装任務は2001年10月に始まり、攻撃は2002年に始まった。そして2004年までに、機はパキスタンのシャムシー飛行場が利用された。アフガニスタンパキスタンの国境沿いの部族地域で、タリバンアルカイダの標的を攻撃。CIAの無人偵察機攻撃機もイエメンの基地から活動している。ヘルファイア・ミサイル攻撃で、アフガニスタンパキスタンで、多くの著名なアイカイダの指導者と過激派が殺害されたが、民間人の死傷者も出た。

 現在CIAドローンは、ラングレーにあるCIA本部のミッションチームによって操作されている。この無人航空機の性能は、最大24時間の飛行時間で、航続距離と一定場所に留まるロイター飛行能力も拡張している。