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18 ローマの盛衰 ローマの労働者雇用状況(2020年)

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ローマ大都市圏の労働市場(2020)表紙

 

 イタリアは、EU加盟国の間でも、長年景気低迷が続いて来たが、2020年のコロナ感染の拡大で、その雇用状況に対する影響がさらに加わった。以下の報告はイタリアのU.O. 統計レポート(2021.1.31)のもので、まだコロナによる影響は反映されていないが、それ以前の動きを見るのには、充分その現状を把握できる。レポートは125頁あるが、以下はその抜粋である。

□ローマ地域の労働市場の構造とダイナミクス
●ローマ都市圏の重要な数字
 総従業員 184万人(千人以下切り捨て)
 雇用率(15才以上) 49.7%
 女性の就業率(15才以上)43.2%
 雇用率(15-64歳)64.1%
 求職者 184,646人
 失業率 9.1%、若者(15〜24歳)の失業率29.2%
 15〜29歳の「ニート」の発生率18.7%(同年齢の若者の合計)
 労働市場への不参加率 14.9%
●失業と不参加.
 2008年から2019年の10年間で、ローマ地域の求職者の数は約6万1000人(+ 62%)増加し、約18万4600人に達しました。
 ローマでは、求職者の数は2014年に最大(22万4800人)に達し、その後数年で減少しましたが、2018年には増加し、2019年には再び縮小しました。
 2019年の失業率はローマで9.1%であり、地域や国の失業率を下回っていますが、それでも危機前の水準(2007年は5.7%)を上回っています。 特に、ローマでは若者の失業率も非常に高く、15〜24歳の若者では29.2%、25〜34歳の若者では14.6%に達しています。
 ローマでは、求職者の55%以上が以前に雇用されていました。失業者の増加に最も貢献したのは、主に男性で構成されるこのセグメントで、2008年から2019年の間に82.1%増加しました。
 最初の仕事を探している人の数も増えています(+ 25.2%)。
●若いニート
 労働市場からの撤退とその自発的または誘発された要素の問題は、それが若者に言及する場合、特に学校や訓練コースに含まれていない人々に関しては、特に憂慮すべきように思われます。 これらはいわゆるニートで、労働市場や訓練システムからの長期の不在は、再統合が困難になるリスクが高くなる可能性があります。
 2019年のローマでは、15〜29歳のニートが11万5,000人を超えていましたが、全国で200万人を超えました。
 2008年と比較して、ローマ地域のニートは3万5900ユニット(+ 44.9%)増加しましたが、全国レベルでは+ 10.1%に相当する18万4000ユニットを超えました。
●ローマの労働市場における外国人労働者
 外国人従業員 27万7000人(千人以下切り捨て)
 イタリア人従業員 157万人
 従業員総数に対する外国人従業員の発生率 15%
 外国人の雇用率(15才以上)63.7%
 イタリア人の雇用率(15才以上)47.8%
 2008年から2019年の期間に、全体に占める外国人労働者の割合は増加し、ローマ地域では8.6%から15%に、全国平均で7.3%から10.7%になりました。資料 U.O. 統計「レポートローマ大都市圏の労働市場」(2020)