19 ローマの盛衰 バチカン銀行
地球上でカトリック教会よりも多くの富を所有している機関はほとんどなく、そのほとんどは非課税。 その富は、バチカン銀行として知られているローマの「宗教事業協会」が管理している。 20世紀の後半を通して、第二次世界大戦中に第三帝国のエージェントが盗んだ金やその他の財宝を蓄えたとしてバチカン銀行が非難され、繰り返されるスキャンダルがバチカン銀行を揺るがした。
●マネーロンダリングの隠れ蓑
1990年-メディアの報道は、バチカン銀行をミラノでの贈収賄スキャンダルに関連付けた。報道では、民間企業はさまざまな地方公務員に1億500万ドルの賄賂を支払い、その約6,300万ドルはローマの「宗教事業協会」を通じて洗浄された。
2001年、調査ジャーナリストは、バチカン銀行がイタリアのさまざまな犯罪カルテルから550億ドル以上の違法資金を隠蔽したとして非難した。
ロンドンテレグラフの記者の報告によると、バチカンは、重罪犯による世界的なマネーロンダリングの砦として、「バハマ、スイス、リヒテンシュタインなどのオフショアの避難所よりもはるかに進んでいた」という。(資料 Encyclopedia of Conspiracies 2006 )
●有罪となったバチカン銀行の元首長
バチカン市国発のロイター通信(2021.1.22)によると、21年1月21日に裁判所は、横領とマネーロンダリングの罪で、バチカン銀行の元首長アンジェロ・カロイア(81歳)を有罪とした。バチカンの裁判所はまた、銀行のコンサルタントであったイタリアの弁護士2人を有罪とした。
3人は、2002年から2007年にかけて、銀行とその不動産部門が所有するイタリアの建物の売却を管理しながら、横領する計画に参加した罪で起訴された。彼らは、実際の売却額よりはるかに少ない価格を記載することで、最大5,700万ユーロを吸い上げたとされた。裁判所は、凍結された被告の銀行口座に約3,800万ユーロを隔離し、IORとその不動産会社に2,000万ユーロ以上の損害賠償を支払うよう命じた。