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9 ローマの盛衰 コロッセオの修復

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2023年に修復予定の床の復元図(artribune.com)

 ローマを代表する観光地コロッセオは、ローマ帝政期の西暦80年に、ウェスパシアヌス帝(在位 69 - 79年)とティトゥス帝(在位79 - 81年)によって造られた円形闘技場。建設当時の正式名称はフラウィウス円形闘技場

●老朽化するコロッセオ 
 現在ではローマはイタリアの一都市となってしまったが、建造後1900年以上経ってもコロッセオは今もって古代ローマの象徴でありつづけている。
 1939年に大規模修復が行われたが、21世紀に入ると長年補修がなかったことや、大気汚染などによって老朽化が進み、2010年5月には漆喰の壁が一部崩落する事故も起きた。2012年7月には南側で約40cmの地盤沈下が発見された。これを受け修復工事を行う動きが本格化し、2011年12月にはイタリアのファッション企業トッズ社が修復費用3300万ドル(約27億5000万円)の負担を表明。2013年9月に修復工事が始まり、2016年に壁面の洗浄や構造強化が終了した。これにより、2017年11月にコロッセオの最上階の5階の観光が可能となった。
コロッセオのアリーナの修復 
 修復第一期工事が進むのに伴い、2014年には、かってあった木製の床を復元し、文化的行事や演芸等に利用しようという案が持ち上がった。2015年には偉大な文化遺産プロジェクトに含まれ、1850万ユーロの融資を受けた。2015年から2020年にかけて、実施方法を定義するために多数の調査と調査が実施され、入札は終了した。
 2020年12月22日、イタリア財務省コロッセオの改修工事に伴い、アリーナ部分に開閉式の床を設置する予算を認めたことを発表した。この工事は2021年に始まり、2023年に完成する予定。
 床は、耐性と耐久性を高める特定のプロセスで得られたアコヤ材になる。床の一部は、回転と平行移動により柔軟性を保証し、自然光のため地下構造を開くことを可能にする可動パネルで構築される。
出典 ウィキペディア、www.artribune.com(2021.5.2)、www.artemagazine.it(2021.5.2)