シュールの本棚

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12 戦争経済 その後のベトナム難民(1975-)

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サイゴン陥落(1975年)

 1975年4月30日のサイゴン陥落で、ベトナムから多くの国民が国外へと脱出した。1975年、フォード大統領は、インドシナ移民難民支援法に署名し、13万人のベトナム人カンボジア人、ラオス人の難民に医療、宿泊施設を提供するため約4億1500万ドルの予算を立てた。このうち、12万5,000人のベトナム難民が米国に到着した。この最初のベトナム移民グループの後に、より多くの難民とその家族が続き、米国のベトナム人の人口は、1980年から2000年の間に10年刻みでおよそ2倍になっていった。

アメリカのベトナム人

 現在アメリカ国内にいる140万人のベトナム人移民は、米国で最大の外国生まれのグループの1つで、2019年の時点で4,450万人の米国移民全体の約3%を占める。アジア移民グループの数では、インド、中国、フィリピンに続く人口となっている。

 2020年半ばの見積もりで、海外に住むベトナム人の1番は米国、次に日本(33万6,000人)、中国(30万3,000人)、オーストラリア(27万人)、カナダ(18万2,000人)の順。米国内では、ベトナム移民の52%がカリフォルニアまたはテキサスに住み、サービス業で働いている可能性が高いという。

●収入と貧困

 ベトナム移民は、世帯収入の中央値が比較的高い。2019年、ベトナム移民は世帯収入の中央値が7万ドルで、全移民の世帯収入の中央値は6万4,000ドルより高い。さらに、2019年のベトナム移民の貧困率は11%で、全移民の貧困立の14%より低い。

これらはベトナム人の勤勉さを物語っている。

●送金

 世界銀行の推定によると、ベトナムへの世界送金は、過去10年間で2倍以上となり、2020年には172億ドルに達した。送金は、2020年のベトナム国内総生産(GDP)の約5%を占めた。(資料 Migration Policy Institute 2021)