シュールの本棚

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4 イスラエルの作戦 ツシア作戦 (1956)

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アブラハム・ダーとポートサイドのユダヤ人コミュニティ

 ツシア作戦(ヘブライ語で「創意工夫」を意味する)は、1956年のイスラエルによるエジプトのシナイ砂漠の攻撃(シナイ・キャンペーン)の後に開始された。この作戦では、イスラエル工作員が、エジプトに住むユダヤ人と連絡を取り、彼らにイスラエルに移住するよう説得することからはじめる必要があった。

 1956年11月9日、アブラハム・ダー少佐とアリエ・エリアフは、無線通信士と一緒に、フランスの将校になりすまして戦闘地帯に乗り込んだ。彼らは、大規模なユダヤ人集落があったカイロとアレクサンドリアの方向に行進しながら、イギリス軍とフランス軍と共に前進した。

 しかし、イギリス軍とフランス軍は、米ソの圧力により撤退を余儀なくされたため、3人のイスラエル人は、スエズ運河の北端のポートサイドに取り残された。彼らは、そこで200人のユダヤ人しか見つけられなかった。ほとんどが高齢者のため、イスラエルへの移住には関心がなかった。そこで彼らは、町にあるユダヤ人のシナゴーグに行き、イスラエルに一緒に行くことをいとわない65人のユダヤ人を見いだした。

 3人は密かに彼らを港に連れて行き、イスラエル海軍の2隻の船に乗せ、イスラエルのハイファに直接運んで行った。 数日後、市内の残りのユダヤ人は、2隻のフランス船に乗り込み、マルセイユに運んだ。ツシア作戦はフランス陸軍の支援によって実行できた作戦といえる。(www.haaretz.com 2018.4.20)