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8 インドの盛衰 金の輸入大国インド

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ムンバイにある宝石店ショールームにて (REUTERS 2015.5.21)

 2020年の世界の金の輸入購入額は合計3,750億ドルで、2,959億ドルだった2016年以降、輸入国のトータルで平均26.7%増加した。輸入した金の価値は、2019年から2020年にかけて前年比12.3%増加。世界の金の最大の輸入国5社(英国、スイス、米国、トルコ、インド)は、世界全体の3分の2以上(68.8%)を購入した。5番目に多いインドの金の輸入額は219億ドル(5.8%)(出典worldstopexports.com(2021.5)
●資産を金で所有するインド人
 インド人で銀行口座を開くのは人口のわずか3分の1という。預金口座を開くことは、官僚的なわずらわしさがある一方、金(ゴールド)は、どんな書類もなしで広く受け入れられる。それは資産に税金を払うことなく、富を保存するすばらしい方法でもある。
●急増した金の輸入
 インドは金の輸入大国の一つで、主に宝飾品産業の需要に応えている。通信社ロイター(2021.4.2)によると、2021年3月のインドの金輸入は前年比471%増の160トンに達したという。2月の輸入税の引き下げと金の記録的な高値からの修正が、小売バイヤーと宝石商を引き付けたからだ。
 輸入の急増は、インドの貿易赤字を拡大し、ルピーに圧力をかける可能性がある。情報筋によると、インドは2021年3月四半期に、過去最高の321トンを輸入し、1年前の124トンから増加した。輸入金額では1年前の12億3000万ドルから84億ドルと急増した。
●輸入税の引下げ
 3月、ムンバイ(旧称ボンベイ)の金先物は10グラムあたり43,320ルピーの1年ぶりの安値を付けた。ムンバイに本拠を置く金の輸入銀行を持つ地金ディーラーは、堅調な小売需要を見た後、宝石商は在庫を増やしていたと述べた。
 コルカタ市(旧称カルカッタ)の金の卸売業者は、「多くの消費者は、価格の上昇により購入を延期していたが、価格が大幅に修正された後、急いで購入した」と述べた。
 4月のインドの金輸入量は、政府がコロナウイルス感染の増加を阻止するため封鎖を課す可能性があるため、先行きはわからない。