5 インドの盛衰 盛んなメディカル・ツーリズム
インドのメディカル・ツーリズムが成長している。2017年には、インドに49万5,000人の患者が医療を求めて訪れた。 2020年半ばには、インドのメディカル・ツーリズムは、50〜60億米ドルの価値があると推定された。
メディカル・ツーリズム客の旅行プロセスを容易にするため、政府は2019年2月に医療ビザを始めた。このビザでの最長は6ヶ月は滞在できる。
世界のメディカル・ツーリズム市場の主要な目的地には、マレーシア、インド、シンガポール、タイ、トルコ、米国がある。これらの国は、歯科を含むさまざまな医療サービス(ケア、美容手術、選択的手術、不妊治療)を提供している。
治療を海外に求める人の多くは、医療技術が発展途上にある国の富裕層である。客がメディカル・ツーリズムに求めるのは、最新の医療技術、高品質のサービスを提供である。
●治療のための旅行?
だれもが自宅の近くで治療することを望むが、特定の専門家や最先端の治療法が利用できない場合、時には長い待機リストの対象となることがある。その場合、そうした施設をどこかで探す必要がある。コストも重要な要素の1つ。より手頃なコストでサービスができる国で、同等の治療ができれば選択肢の一つ。
●インドのメディカル・ツーリズム
公式の記録では、インドのメディカル・ツーリズム産業は18%のCAGRで成長している。2020年までにメディカル・ツーリズム市場のシェアの20%を占めると予想されている。インドでは、現代の医療技術に加えて、ヨガやアーユルヴェーダなどの伝統的な方法も推進している。2015年、インドはメディカル・ツーリズムの3番目に人気のある目的地にランクされ、業界は30億ドルの価値があった。
●チェンナイ市(旧マドラス)
ベンガル湾に面したチェンナイ市は「インドの健康の首都」と呼ばれている。市内の複数の専門病院および超専門病院は、毎日推定150人の国際的な患者を受け入れている。またチェンナイは、海外からの健康観光客の約45%と、国内の健康観光客の30〜40%を引き付けている。
市内への観光客の流入の要因には、低コスト、待機期間がまったくない、および市内の専門病院で提供される施設が含まれる。市には推定1万2500の病床があり、そのうち半分が市民が使用し、残りは他の州の患者と外国人が利用する。(資料 英文ウィキペディア)