6 インドの盛衰 結婚式は花嫁が負担
贅沢で派手な結婚式を行うインドの慣習は、花嫁の家族に莫大な負担を余儀なくさせるという記事が通信社「アルジャジーラ」(2021.1.31)に紹介されている。
それによると、インドの結婚市場は年間500億ドルで、毎年約1,000万件の結婚式が行われる。しかしこの機会はまた、新郎の家族の要求を満たすために。花嫁の家族に莫大な費用の圧力をかけている。
そうしないと、結婚が中止されるか、家族が金貸しから借りることになる。インドでは多くの人が銀行ではなく個人金融に依存しているため、これらのローンは天文学的な金利のことがあり、家族は一生の借金を負う。中止された結婚式は、花嫁とその両親を自殺に追いやることもめずらしくない。
●贅沢な結婚式
富裕層と有名人の知名度の高い結婚式は、中産階級と貧困層に影響が及び、社会的圧力を引き起こす原因ともなった。
2018年、インドで最も裕福な男性ムケシュアンバニの娘の結婚式は、噂で1億ドルの費用がかかった。
2017年に、無駄な支出の防止を取り締まる「結婚法案」が議会に提出され、結婚式に5ラック(約7,000米ドル)以上を費やす家族は、結婚式の総費用の1割を花嫁に寄付しなければならないと提案した。
●花嫁の持参金
インドの結婚式に浪費する圧力を生み出す影響の一つは、派手な結婚式を登場させるボリウッドやヒンディー映画の影響があるという。
結婚式の影響を超えて、最も厄介な側面の1つは、花嫁の持参金がある。持参金には、現金、不動産、自動車、宝飾品、その他の資材が含まれっる。そのため、中産階級や貧しい家庭は、娘が生まれたときから結婚の計画を立て始めることになる。
結婚式の費用は花嫁の両親が負担とされているため、貧しい家族にとっては少女の誕生は「呪い」と見なされている。「女の子は結婚することだけになり、彼女の教育、彼女のキャリア、彼女の幸せはあとまわしになる。
デリーを拠点とする産婦人科医によると、インドの現在の男女比の不均衡は、男性112人対女性100人で、これは親の性別選択的中絶の慣行によって推進されているという。
●持参金の搾取
インド犯罪統計局によると、インドの女性は1時間ごとに自殺するか、持参金で殺害されている。 4分ごとに、女性は義理の妻や夫からの残虐行為に直面している。
●変化の風
1961年の持参金禁止法の下では、インドで持参金を与えることと受け入れることの両方が犯罪で、それに違反した場合は、少なくとも5年間の懲役と、200ドルまたは与えられた持参金の価値のいずれか高い方の罰金となる。
贅沢な文化とインドの結婚式に関連する慣習に対して、徐々に変化が進行している。1985年に立ち上げられたこの非営利団体は、社会の最下層に属しており51組のカップルを対象に、毎年2回のコミュニティウェディングを開催している。これは、 結婚式の費用はすべてを組織と寄付者が負担するというもの。しかしこの数は焼け石に水であることはまちがいない。