2 インドの盛衰 インド女性の離婚と別居
□インド女性の離婚と別居
イギリスのBBC (2016.9.29)に、インドの離婚と別居に関する記事がある。この記事にある「離婚と別居の増加」から、インドの変化を見ることも可能である。以下は記事の概要である。
●インドの離婚は、夫婦1,000人に1人未満。
これまでインドの女性は、彼女が住んでいる場所で、「より多くの幸せを見つけ、彼女の悩みや心の痛みは家族で解決された」と感じている。 彼女たちは、外の世界との接触がなく教育を受けておらず、「より良い生活への要求がない」そうした国では、「結婚と再婚の問題は、コミュニティの簡単な計画で解決されてきた」のだ。
●変化の現れ
1950年代半ばにヒンズー教法案で、女性に財産権を与え、一夫多妻制を非合法化し、パートナーが離婚を申請することを許可した。1976年には、 法律は相互の同意による離婚を許可した。
時代とともに、伝統的な共同家族は核家族に取って代わった。 そして、多くの女性が仕事をし、ビジネスを立ち上げて、都会の女性はもはや経済的生活を配偶者に依存する必要はなくなった。
●統計に現れた変化
インドの国勢調査では、未婚、別居、離婚、未亡人、既婚に付けられた汚名のため、一部の女性が別居や離婚を報告しない場合がある。しかしより顕著ないくつかの変化がある。
・インドでは年間136万人が離婚している。これは、既婚人口の0.24%、総人口の0.11%に相当する。
・別居した人の数は離婚した人のほぼ3倍で、既婚人口の0.61%、総人口の0.29%という。
・男性よりも女性の方が離婚・別居している。
・北東部の離婚率はインドの他の州よりも比較的高い。
・別居の件数がインド北東部で多い。これは、離婚に伴う汚名と、裁判所での解決に時間がかかるため、離婚よりも多くが別居している。
●地域によって異なる離婚率
離婚率と別居率は州や地域によって大きく異なる。女性が母系制のために比較的高い地位を享受している北東部の州の離婚率と別居率は、インドの他の場所よりも比較的高い。
家父長制で知られている北部の州は、離婚率と別居率が低い。
インドでは結婚前の同棲率が非常に低く、結婚は普遍的なため、若い人たちの一部が、最初の結婚で離婚する可能性があるのは珍しくないという。