23 ベルリンの盛衰 メルケル首相
ドイツ史上初めての女性首相メルケル(1954 - )。2000年〜2018年までキリスト教民主同盟 (CDU) 党首、2005年から第8代ドイツの首相を務める。
東ベルリンにある科学アカデミーに就職し、理論物理学を研究する。在学中の1977年に同じ学部の学生だったウルリッヒ・メルケルと結婚。1986年、博士論文を提出して博士号を取得。ベルリンの壁の崩壊後、科学アカデミーを辞職、「民主主義の出発」の結党メンバーとなり、報道官を務めた。ドイツ再統一直前に西ドイツCDU党大会で、西ドイツ首相のヘルムート・コール(1930 - 2017)に出会う。
●東西の統一
統一後にCDUに入党し、1990年12月に連邦議会選挙に出馬して初当選する。初当選議員だが、第4次コール政権の女性・青少年問題相に抜擢され、1991年1月18日に就任。
ブランデンブルク州の党支部代表を目指すが、党内基盤がなかったため敗北。しかしシュタージ(国家保安省)に協力した過去が明るみに出たデメジエールの辞任を受け、CDUの連邦代表代理に就任した。
1998年の連邦議会選挙で大敗したコール政権が終幕を迎え、CDUは野党に転じる。彼女は同党幹事長に就任。2000年2月にCDU党首が辞任し、4月の党大会でCDU党首に就任した。
2005年9月の総選挙で、メルケル率いるCDU/CSU(キリスト教社会同盟)連合は、SPD(ドイツ社会民主党)・緑の党連合に勝利した。11月22日、メルケルは第8代連邦首相に就任する。
●彼女の政策
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島原子力発電所事故により、ドイツ国内でも脱原発の機運が上昇。この動きを見て原子力発電計画の凍結を表明した。また難民問題では、多くのEU加盟国が難民の流入に拒否反応を示すなか、ドイツ政府は2015年度9月上旬で難民80万人を受け入れた。救済措置に不満を抱く勢力が右翼の選挙選好に拍車をかけ、2017年のドイツ連邦選挙では「ドイツのための選択肢」(AfD)が投票の12%を獲得した。メルケル首相は、2021年9月末の連邦総選挙の後の引退を表明している。(参照 ウィキペディア)