15ソウルの盛衰 1988年ソウルオリンピックの明暗
1988年ソウルオリンピックは、9月17日から10月2日までの16日間首都ソウルで開催された。1964年東京に続きアジアでの2度目の夏季オリンピックである。これに参加しなかったのは、北朝鮮、キューバ、アルバニア、セーシェル、エチオピア、ニカラグア、マダガスカルの7ヶ国のみである。前年11月28日に発生した大韓航空機爆破事件は、ソウルオリンピックの韓国単独開催の妨害を目的とした犯行だった。結果的に北朝鮮選手団は参加しなかった。
一方、全斗煥大統領(任期1980-88) は、ソウルのイメージ刷新のため、「都市の美化」を命じた。自家用車は一日おきしか運転できず、犬肉店は一時休業し、仮設住宅に住む72万人の住民が強制移住させられた。
しかし、何千人ものホームレスの人々が隔離されたことはよく知られていない。警察の行動の標的には、ホームレス、アルコール依存症者、精神障害者だけでなく、多くのホームレスの子供たちも含まれた。釜山市の「兄弟の家」に4000人が閉じ込められた。元弁護士は、福祉施設ではなく強制収容所だと言った。(中国「新聞広角」2016.4.23)