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10 ユダヤ人の秘密 奴隷貿易

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ツァハリアス・ヴァゲナー画「レシフェの奴隷市場」(1637年頃)

  ユダヤ人はキリスト教徒には禁じられた金貸しで財を成したと言われている。
しかし、金貸しだけでは、国際的なネットワークは必要ないように思える。実際には、彼らには別の商取引があった。
 もう1つのビジネスは、ユダヤ人による奴隷貿易であった。奴隷の取引は、すべての古代および中世の法律によって許可されていた。キリスト教のヨーロッパでさえ、13世紀までそれを許していた。初期の段階では、ユダヤ人の奴隷の通行はユダヤ人に禁じられていたが、異教徒による奴隷売買に対する法律に制限はなかったようだ。

  ヨーロッパにおける国々の分散と、スペインのアリウス派カトリック教徒の間の信条の相違から生じる紛争により、認可されたユダヤ人に対し、両方に奴隷を供給する機会が与えられた。
  教皇グレゴリウス大王(604)の時代、ユダヤ人は交通の主な貿易業者になった。
 イスラム教の台頭により、ユダヤ人はイスラム教徒の奴隷をキリスト教の世界に、キリスト教徒の奴隷をイスラム教の世界に供給する大きな機会が与えられた。そして9世紀の地理学者イブン・フルダーズベは、ユダヤ人の奴隷商人がそのような奴隷を西から東へ、そして東から西へ運ぶ2つのルートを説明している。
 ルートヴィヒ1世(在位:813ー840)は、彼の王国を訪れたユダヤ人にチャーターを与え、奴隷がバプテスマを受けていなかった場合、奴隷を所有して販売することを許可した。
 スペインのユダヤ人の多くは、アンダルシアから連れてこられたスラヴォニアの奴隷の取引に富を負っていた。同様に、ヴェルダンのユダヤ人は、949年頃、近所で奴隷を購入し、スペインで販売した。 (資料 jewish encyclopedia 11vol.SAMSON 1903)