シュールの本棚

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3 戦争経済 朝鮮戦争でアメリカが使った金

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釜山に運ばれた燃料の入った大量のドラム缶(LIFE 1950.9.4)

 朝鮮戦争(1950~1953)に介入したアメリカは、戦争資金の調達のため税金が大幅に引き上げられた一方、連邦準備制度はインフレ防止策をとった。戦争の初めには物価が大幅に上昇したが、戦争の終わりまでになんとか価格を安定させた。

増税による資金捻出

 朝鮮戦争は主に戦費資金を生み出すのに課税に頼った。トルーマン大統領は課税を支持し、議会もこれを承認した。 1950年、下院は圧倒的多数で、個人所得税、法人所得税、および物品税を引き上げに投票した。

また、朝鮮戦争中、資本税は米国史上最高水準に達し、平均で約62%に上昇した。

  毛皮、宝石、コイン式賭博機などの贅沢品の税も引き上げられた。それでも朝鮮戦争中の歳入方法は連邦予算の赤字を防げなかったが、月間平均で歳入の約6.5%であった。

◎商品価格の高騰

 戦争の勃発で、商品価格は急騰した。 1951年2月までに、消費者物価指数の月間上昇率は毎年ほぼ20%だった。戦争の最初の9か月は、将来の品不足を見越して大量消費を行うことで、物価高を特徴とした。売上高の急増は2か月続き、その後、韓国で国連軍が北朝鮮軍を押し戻すにつれて減少した。

しかし1951年の冬に、鴨緑江での中国の参戦に続き、国連軍が撤退し始めると、2度目の物価高の波があった。

◎軍事費

 ソ連との冷戦で、朝鮮戦争前から米国の軍事費は多かった。朝鮮戦争の軍事費用は1953年に300億ドルで、これは2011年の3,410億ドルに相当する。戦争最後の年の年間軍事支出は、GDPの約14.1%を占めた。

 この戦争で約3万4,000人のアメリカ人が戦闘で死亡し、さらに約2,800人が病気や怪我で死亡。米国の死傷者は合計で13万9,860人に上った。退役軍人を対象とした「朝鮮戦争GI法案」が1952年に施行され、第二次大戦G.Iと同じ補償を提供した。 (資料 英文ウィキ)