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23 モスクワの盛衰 ノーザンリバー駅

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復興前のノーザンリバー

 モスクワ川とヴォルガ川を結ぶモスクワ運河は、モスクワ近郊にある運河で「モスクワ・ヴォルガ運河」とも呼ばれる。ノーザンリバー駅(セヴェルニ・レチノイ・ヴァグザール )は、モスクワ運河にそって建てられた駅で、巨大な船の形で作られた。尖塔のある建物は高さは75m、ファサードの長さは150m、尖塔の長さは27mある。そして埠頭に係留された真っ白なクルーズライナーの美しい景色を眺めることができる。またここを出発するいくつものクルーズの旅が用意されている。このエリアは、モスクワ市北部行政区の大きな公園に囲まれている。

●建設履歴
 ノーザンリバー駅の建設は、モスクワ-ヴォルガ運河の工事と同時に1933年春に始まった。当時、モスクワの北西にあるヒムキの駅は、モスクワで12番目の駅。中央塔と尖塔を備えた駅の構造は、多くの河川駅の建設モデルとなった。
 旅客数の減少に伴い、建物は次第に使用されなくなり、衰退し始めた。2005年までに施設のなかで、レストランだけが営業していた。中央塔の尖塔は2008年に建てられた。
 2017年4月、ノーザンリバー駅は80周年のクルーズ・ナビゲーションの開始を祝った。しかし、2017年5月現在、建物は荒廃したままであった。そこで2017年8月、モスクワ市の文化遺産局の命令により保護義務が承認され、国の単一企業「モスゴルトランス」がノーザンリバー駅の修復を開始し、工事は市の費用で実施された。

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2020年に再建されたノーザンリバー

 駅の修復作業は2018年12月に開始され、復興後の駅の開業は、2020年9月5日に行われた。歴史的な外観が復元された後、この建物は首都の交通インフラの対象の1つとして運用された。(資料 ロシア語ウィキペディア