17 大富豪の世界 億万長者たちの10の事実
2022年の9年前、2013年に「ウォールストリート・ジャーナル」が、「億万長者たちが語りたがらない10の事実」という記事を載せた。約10年前と現在とを比べるのも面白い。
1.2013年の「フォーブス・ビリオネアズ・リスト」には1426人
2013年、世界の億万長者の資産は過去最高を記録した。1426人の純資産の総額は5兆4000億ドル、昨年比で17%増となった。うち442人は米国に居住し、その平均純資産は108億ドル。その一方で、その他の米国民の純資産は大不況以来減少しており、純資産が8万3000ドル以下の一般世帯が約半数に上ることがわかった。
2.「100万ドルや1000万ドルにもはや昔のような価値はない」
世界的なエリートとして大富豪たちと張り合うには、最低でも1000万ドル以上の年間所得が必要になる。
3.億万長者の90%以上は男性
「フォーチュン1000」のうち、女性が最高経営責任者(CEO)に就いている企業はわずか4%ときわめて少ない。それでも2013年の「フォーブス・ビリオネアズ・リスト」には昨年の104人を上回る138人の女性が入っている。
4.億万長者は高学歴
米国の億万長者たちは、最高の教育を受けた人々である傾向が強いことが調査で示された。専門誌「インテリジェンス」に発表された論文「米国のエリートを調査する」の中で、心理学者のジョナサン・ワイ博士は、「億万長者が入学基準の最も厳しい大学に在籍した可能性は、CEO、裁判官、連邦議会議員よりも高い」と述べている。
5.億万長者の散財
2011年、ドナルド・トランプ氏は、ホワイトハウスに1億ドルの舞踏室を建設すると申し出た。ところが超大富豪たちの散財と比べると大した額ではない。2010年、ロシアの石油王、ロマン・アブラモビッチ氏はヨット「エクリプス」を10億ドルで購入。2009年、サウジアラビアのアルワリード王子(1955生)はエアバスの超大型旅客機「A380」を4億ドルで購入した。
6.億万長者の離婚費用
億万長者の伝記を書いたジャネット・ロウ氏によると、億万長者の離婚は、数億ドルの慰謝料がかかったり、夫婦のプライバシーが侵害されることもあるという。同氏によると、ゼネラル・エレクトリックの元CEO、ジャック・ウェルチ氏と2人目の妻のジェーン・ウェルチ氏の2003年の離婚はその好例だ。米証券取引委員会(SEC)が調査を始めると、ウェルチ氏は年間で250万ドルの価値があるとされたその特別待遇を自主的に放棄した。
7.株式投資では億万長者になれない
ゼロからスタートして億万長者になりたいなら、株への投資はやめた方がいいと言う。投資で年間15%のリターンを実現し続けるのは至難の業だが、20年後に10億ドルを手にするには、6500万ドルほどの資金から始めなければ難しい。ビル・ゲイツ氏、マーク・ザッカーバーグ氏、スティーブ・ジョブズ氏など、億万長者たちの多くが株式投資ではなく、起業することで巨万の富をつかんできたと指摘している。
8.億万長者の税率
億万長者による脱税事件に対するメディアの注目度は高い。大富豪たちには、所得に対する課税割合がかなり小さいという特権もある。彼らの所得の大半は投資から得られるので、かかる税率が賃金や給与よりも低いのだ。
9.億万長者の財産問題
オーストラリアで最も裕福な女性、ジーナ・ラインハート(59歳)の場合、彼女の子供、ジョン・ハンコック(37歳)とビアンカ・ラインハート(36)は彼女を提訴している。数十億ドルに上る一族の信託財産の受託者である母親は、受益者である4人の子供たちがその財産にアクセスできる期日を遅らせようとして違法行為を働いたというのである。
10.億万長者の社会貢献
大富豪たちに財産の半分の寄付を奨励する目的で始まった社会貢献キャンペーン「ギビング・プレッジ」に、少なくとも30人の億万長者が参加を表明した。このキャンペーンの発起人のウォーレン・バフェット氏は自分の財産の99%を寄付することを約束した。(出典「マーケットウォッチ」ウォールストリート・ジャーナル /2013年11月22日)