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31 大富豪の世界 タイタニック号乗客の億万長者

ジョン・ジェイコブ・アスター4世と妻マデリン

 1912年4月10日朝、シェルブール港に寄港したタイタニック号は、4月14日午後11時40分、氷山と衝突した。船の最も有名な乗客の中には、一流のファッションデザイナー、世界で最も裕福な男性の1人、そして有名な英国の伯爵夫人が含まれていた。
 乗客のほとんどは一流の乗客で、生存者の人口統計を分析の結果、144人の女性のファーストクラスの乗客の97.22%が救助されたのに対し、175人の男性の乗客の32.57%だけが救助されたことがわかった。
タイタニック号に乗った億万長者
 タイタニック号に乗っていた億万長者には、アメリカの実業家ジョン・ジェイコブ・アスター4世、そして鉱業で財を成したグッゲンハイム家の一員のベンジャミン•グッゲンハイムがいた。ベンジャミン•グッゲンハイムの娘のペギー・グッゲンハイムは、父親のベンジャミンからかなりの財産を相続したとき、わずか13歳だった。彼女は現代美術を収集するためにその富を使用し、それを展示するために大運河にあるヴェニエールデイレオニ宮殿を購入した。これは現在イタリアで最も訪問されている現代美術館となった。
タイタニック号の乗客で最も裕福な億万長者
 ジョン・ジェイコブ・アスター4世(1864-1912.4.15)はタイタニック号に乗った最も裕福な乗客だった。アメリカの実業家の彼は、アスター家の長で、個人的な財産は約15万ドル。アスター家の財を築いたジョン・ジェイコブ・アスターの曾孫。アメリカ国内にあるアスター家の莫大な所有地を管理し、幾多の銀行の頭取を務めた。1911年9月9日にマデリンと結婚。
   1912年1月24日、2人は豪華客船オリンピック号に乗船してマデリンと新婚旅行に出た。4月10日朝、シェルブール港からタイタニック号に乗船した。4月15日深夜、客室係から夫人は救命具をつけてデッキに出るよう指示を受け、妻がボートに乗るのを見送り彼女に告げた。その後アスターは、陸軍武官アーチボルド・バット少佐と並んでブリッジに立ちながら沈んでいったという。彼の妻はこの災害を生き延びた。アスターは当時8700万米ドル近くの財産があり、今日の価値では22億ドルに相当する。(出典 magazines style/South China Morning Post」2019/4/15)