7 有名人のスパイ 小説家ジョン・ル・カレ
スパイ小説の第一人者ジョン・ル・カレ(本名デイビッド・コーンウェル)は、スイスのベルン大学に通い、1956年にオックスフォード大学を卒業した。1958年、彼は英国外務省に加わった。防諜を担当する機関である英国防諜局(MI-5)で、彼は仕事をはじめる。防諜諜報局(MI-6)に異動した後、ベルリンの壁の建設などの初期の冷戦イベントに立ち会った。 最も有名なソ連のスパイの1人キム・フィルビー(1912 - 1988)の裏切りは、諜報活動におけるコーンウェルのキャリアを終わらせ、生涯にわたって裏切りをテーマにした小説を書くはめになる。
「フィルビーの裏切りがどれほど大きな衝撃だったかは、この業界を体験したことのない人にはわからないだろう。東欧だけでも何十人、ことによると何百人というイギリスの諜報員が捕らえられ、拷問され、射殺された」(ル・カレ)
1954年にコーンウェルは、ジョン・ル・カレというペンネームを採用し、諜報局にいる間に執筆を開始し、1961年に彼の最初の本「死者にかかった電話」を出版した。
1963年に出版した3番目の小説、「寒い国から帰ってきたスパイ」は、恐ろしく現実的なスパイ小説としての評判を確立した。 彼の小説はスパイ活動の実践に関する仮想ハンドブックとみなす人もいる。
東西冷戦の終結で、ル・カレはスパイ小説から、麻薬の売人「ナイト・マネジャー」(1993)、アメリカの植民地主義「パナマの仕立て屋」(1996)そして、ソビエト後の地域紛争を描いた。彼の回想録「地下道の鳩」(2016)で、彼はサハロフ(科学者)、アラファト、サッチャー(首相)、リチャード・バートン(俳優)、スタンリー・キューブリック(監督)など多くの人物にあった印象が述べられている。