3マネー戦争 ビッグオイルの収益急増
ロシアのウクライナに侵攻後、過去数週間にわたって、ビッグオイル会社(シェル、エクソンモービル、英国石油、シェブロン)は今年の最初の3ヶ月間で利益の急増を報告した。以下は、「石油セクターの収益とその反応」を扱ったNPRの記事の要旨。
1 エネルギー価格の上昇
ロシアのウクライナに侵攻後、ブレント原油(原油銘柄のひとつ。主にイギリスの北海にあるブレント油田から採鉱)先物は今年40%以上急増し、1バレル130ドルを超えた。
それ以来価格は下落しているが、ブレントは依然として1バレル100ドルを超えて取引され、石油会社の収益を支えている。
米国内最大の石油会社エクソンモービル(本社テキサス州)は、純利益が前年の2倍以上の55億ドルに達したと報告した。
一方、シェブロン(本社カリフォルニア州)はほぼ10年間で最高の四半期利益を報告、シェルは史上最高の利益を記録した。
2 投資家にとって吉報
今年の最初の数ヶ月の記録的な収益は、投資家にとって大きな配当と株の買い戻しにつながった。
エクソンは来年末までに最大300億ドルの株式を買い戻す予定で、当初の予測の3倍になる。
BP(本社ロンドン)やシェブロンを含む他の企業も株主に配当している。
結局、石油セクターは、しばしばブーム(バブル)とバスト(崩壊)のサイクルに見舞われてきた。
石油会社は、生産量を大幅に増やすことで、原油価格の上昇に対応するだろう。実際、企業は市場に石油を氾濫させ、しばしば価格の暴落につながり、企業とその投資家に多額の損失をもたらすことになる。
3 ワシントンからの圧力増加
これのどれも、多くの民主党員を喜ばせない。ビッグオイルのCEOは、先月議会の公聴会に持ち込まれ、民主党議員は「ガソリン価格を急騰させて消費者を騙した」と非難したが、幹部はこれを断固として否定した。
AAAの価格記録によると、ガソリン価格は1ガロンあたり4ドルを超えて急騰し、3月のインフレ調整なしで4.331ドルの記録に達した。
同時に、ビッグオイルはバイデン政権による、ガソリン増産を迫られている。
石油会社は生産を増やしているが、投資家のプレッシャーとサプライチェーンを考えながら、慎重に生産量は増やしている。(出典 NPR 2022年5月7日)