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5 ユダヤ人の秘密 フリーメーソン(アメリカ)

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ニューヨークのグランドロッジ・ルーム(masonic hall nycより)

 1717年にロンドンで創設されたと言われるフリーメーソンは、その後世界中に広まる過程で多くの組織が生まれた。中でも「スコティッシュ儀礼」は、世界で最も広がり、最も完成した高位階制度で、位階の4番目から33番目までが含まれる。
多くのメーソンは、この儀礼スコットランドで始まったと考えているが、そうではないという。17世紀後半、イギリス諸島が争いで引き裂かれたとき、多くのスコットランド人がフランスに逃亡し、その国でのフリーメーソンの機能を再開した。最も初期の文書化された記録は、18世紀半ば頃のフランスのボルドーでの始まりを示している。そこから、西インド諸島のフランスの所有地に運ばれ、さらに米国に運ばれた。最初の最高評議会は1801年、サウスカロライナ州チャールストンに設立され、世界中の他のすべての通常の最高評議会はその子孫である。(Fact of Scottish Rite 1984)
 ユダヤ人が会員となっているフリーメーソンは、サンフランシスコだけで10のロッジと、3つのメーソン所有の本部があるベイエリア(カリフォルニアには60のロッジがある)を含め、長い歴史を共有している。
 19世紀後半の、サンフランシスコの中流階級ユダヤ人の多くはメーソンであった。ベイエリアは国内で最も反ユダヤ主義の少ない地域の1つであったため、ユダヤ人はビジネス、政治、社会のシーンでの早い段階で成功を収めた。
 この地区のフリーメーソンのロッジは、ユダヤ人のメンバーに開放されており、地元の主要なラビやシナゴーグの指導者が誓約した。メーソンに参加することで、非ユダヤ人のビジネスマンとのつながりが促進された。
 カルフォルニアフリーメーソンは「豊かな善行の歴史」を示している。以前はサンフランシスコにあり、現在はサクラメントにある22の「シュライナーズ小児病院」は、すべてメーソンの資金で運営されているという。さらにフリーメーソンの慈善団体は、火傷、整形外科、脊髄損傷の研究に4億2400万ドルを費やしたという。
 カリフォルニアのメーソン組織「スコティッシュ儀礼」では、ユダヤ人の戒め「ティックーン・オーラム」とフリーメーソンの「慈善の義務」を、より完全な結合を形成している。
 しかしフリーメーソンの会員数は、過去40年間で急激に減少し、1960年の420万人から今日ではわずか180万人になった。メンバーの平均年齢は、高齢者の領域に上昇し続けている。
 カリフォルニアを除くいくつかの州のフリーメーソン組織は現在、ネットでも積極的にメンバーを募集している。公に広告して秘密のないフリーメーソンには、好奇心が湧かないのかもしれない。(出典 The Jewish News of Northern California, 2003.9.10)