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7香港の盛衰 タイガーバーム・ガーデン

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香港にあったタイガーバーム・ガーデン(写真「ウィキペディア日本」)

 タイガーバーム・ガーデン(万金油花園)は、香港島の大坑道にあった庭園である。このガーデンは、ラングーンの薬草園の息子で、のちに香港の富豪となった胡文虎(Aw Boon Haw) と胡文豹 (Aw Boon Par) の兄弟が住居として建てたもの。1935年に1600万香港ドルの費用で建設され、1950年代初頭にテーマパークとして一般公開された。
 庭園の中心は高さ44m、7層構造のパゴダで、その周囲は仏教説話、民間信仰を題材としたジオラマが多数配置された。これら地獄や極楽のジオラマを構成する人物や動物は極彩色に彩られ、開放当時には観光施設として高い人気を集めた。
 胡文虎が1954年に死亡して以降、敷地は少しずつ切り売りされて高層マンション等に作り変えられ、2000年に至って完全に閉鎖された。2004年にタイガーバームガーデンは再開発のために取り壊された。