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17 イスラエルの作戦 軍事諜報部隊8200のIT戦略(2013)

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イスラエルのプログラムスクール(写真 timesofisrael.com)

 ハイテクの戦場では、イスラエル国防軍(IDF)の8200が軍を抜いている。

イスラエルの軍事情報ユニットは、軍事情報だけでなく、民間のハイテクブームを推進している。有線の電話や電子メールからマイクロ波や衛星放送まで、膨大な量の電子データを保存しで分析する。かつてのゲームオタクも、サイバーセキュリティ、データストレージ、モバイル通信、分析アルゴリズムの専門知識を活用して、イスラエル経済の基盤を携帯電話アプリに変革した。

  イスラエルのテクノロジー企業のNice、Comverse、Check Pointは、すべて8200の卒業生によって作成されたか、ユニットが最初に開発したテクノロジーに基づいて作成された。「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な量の情報を処理する消費者向けアプリの出現で、イスラエルは米国とヨーロッパよりも10年進んでいるという。

 バーチャルの画面上で、個人の好みに合わせて服やアクセサリーを組み合わせるWebサイト「Stylit」は、自爆テロを追跡および防止するために開発されたアルゴリズムを採用したテクノロジーを使用している。「Stylit」などのサイトは、元IDFサイバーチームによって開発された。会社のアルゴリズムを設計した元8200プログラマーのYanivNissimは、「我々が軍隊で使用した多くの技術は、ファッションに応用するために「Stylit」で使用している」と述べている。

 10年前まで、8200部隊は秘密だった。それが今では、世界のどこよりも一人当たりのベンチャーキャピタル投資が多く、米国と中国に次ぐNasdaq上場企業の数が最も多いハイテク大国としてのイスラエルを出現させた。2010年に、8200の卒業生が表に出て、他の若いイスラエルの起業家に専門知識を指導することを決めた。

 ユニットの卒業生が、初期段階のスタートアップを指導する5か月のハイテク養成。2013年までに、22人が合計2100万ドルの資金をもとに、200人を雇用し、年間250億ドルを稼ぐイスラエルの5,000社のテクノロジー企業23万人の従業員に加わった。8200の活動は、今後も多くのイスラエル人をIDF技術ユニットに引き付けているという。(出典「ガーディアン紙」2013.8.12)