23『日本の謎』英国使節
謎23 和室での会議用の椅子はどうしたのか?
「エルギン卿遣日使節録」(1860) は、安政5年、日英通商条約締結のために来日した使節エルギン卿の記録で、記録者はL・オリファント。2年にわたる中国、日本の滞在で、日本の方が優れていたと述べている。ここでは、日英会議のはじまりの場面を紹介。
「我々は長方形の部屋に案内された。その部屋の左手正面に、2脚のテーブルが置かれ、卓上に3本のローソクが灯され、その後に2人の大臣が立っていた。それに対して我々には、3脚のテーブルと6本以上のローソクがある。われわれはその後に立った。しばらくの間、われわれは立ったまま挨拶をした。そのあとわれわれは椅子に坐り、用談にはいった。その間、通訳の森山はエルギン卿と大臣らとの中間の床に終始平伏し、通訳を求められるたびに、恭しく額を床にすりつけた。
当時の生活では椅子を使わないので、芝の僧上寺には僧侶が御経を読む台椅子があるだろうと、寺に頼んでそれを借りて来た。そして日本側の椅子も同じく寺から床几(しょうぎ)を借りて使った。