シュールの本棚

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3「日本の謎」本能寺の変

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3 本能寺の変(「絵本太閤記」より) Honnō-ji Incident

謎3 信長はなぜ光秀に殺されたのか?

あまりにも様々な説が出ているので、それらを紹介することすらできない。

そこで1つだけとりあげてみた。 

山田風太郎の説

「彼が叛旗をひるがえすにいたった原因についてもいろいろな説がたてられたが、最大なものは、信長がほとんど守護らしい守護兵もなく本能寺にいる、という事実を千載一遇の好機とみた「出来心」であろう。

しかし、その「出来心」をしぼり出した最大のものは、信長に対する恐怖であった。光秀は安土にいる彼の最後の平安なる二十余日の間に、恐ろしいものを見た。そして、現実に見たものより彼を恐怖させたのは信長であった。家来のいかなる過去の失敗をも許さぬ信長。それがどんな小さな対象であっても見逃さぬ信長。ひとたびおのれの権威を逆なでするものがあれば、理非を問わずたたきつける信長。いずれも思いあたる。しょせん、あらゆる家来がたすからぬ。いつの日か、自分も同じ運命に追い込まれる。」(山田風太郎『秀吉はいつ知ったか』2008 筑摩書房294ページ)

 わずかな失敗も許されない場面をいくつも目の当たりにしていた光秀が、はじめて家康の接待役の準備で、信長を怒らせるヘマを犯した。その罰は急便によって有余が与えられた。しかし実際に罰を受ける前に、事前にこちらからそれを防ごうとしたというものである。