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5 マネー戦争 ロシアの原油輸出

ロシアの原油輸出

●ロシアから原油を輸入する中国
 ウクライナ侵攻後、ロシアからの禁油に協調する国が増える中、中国は、ロシアから原油の到着が増加し、4月に1月以来の原油輸入の最初の年次増加を記録した。
 中国税関総局のデータによると、原油輸入国の中国は、4月に1日あたり1,051万バレル(bpd)の石油を輸入した。これは昨年の4月と比較して6.6%増加し、2022年3月から4%増加した。
 上海などの主要都市でコロナ関連の規制が厳しくなり、国内の燃料需要が弱まったが、4月の中国からの輸入の増加は、ロシアからの原油の到着が増えたことも一因と考えられる。
 ロシアの海上原油の中国の輸入は4月に20%急増したが、中国の精製業者が2月24日にロシアがウクライナに侵攻する前、または後に4月に到着した貨物を購入したかどうかは明らかではないという。

 ロシアがウクライナ侵攻後、中国の小規模な独立精製業者、いわゆるティーポットは、ウラルやESPOなどのロシア原油を購入し続けた。それでも、中国の国家精製業者は、ロシアに対する西側の制裁が厳しくなるため、モスクワの石油の購入者とされることを避けて、スポット市場でロシア原油を急いで購入していない。(「オイルプライス」Paraskova 2022年5月9日)

●ロシアの石油産業の衰退
 ロシアの石油生産はすでに減少しており、モスクワが西側で失っているすべての量を中国とインドに向け直すことができないため、今後数ヶ月から数年で減少し続けるという。 
 ロシア自体は、制裁措置により今年の石油生産量が17%減少する可能性があることを認めていると、報道機関TASS(4.29)は、シルアノフ財務相を引用して報じた。4月だけでも、石油生産は3月から9%減少した。 (「オイルプライス」Paraskova 2022年5月9日)