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10 米国の光と影 富裕株主

米国の最も裕福な10%の世帯が、全株式の89%を所有

米国の全株式の89%を、最も裕福な10%の世帯が所有している。その一方、下位90%が残りの約11%を保有していることがわかった。この数字は、株式市場での富の不平等を浮き彫りにしている。
 連邦準備制度理事会のデータによると、上位1%は企業の株式と投資信託の株式の54%を保有し、コロナ危機の際に企業の株式と投資信託の資産で6.5兆ドル以上を獲得した。そして下位90%が同時期に1.2兆ドルの富を追加した。
 2020年3月の株価の落ち込みからほぼ2倍になり、2020年1月から40%近く上昇した株式市場は、コロナ危機のアメリカの富の創造の主な源泉であり、不平等の主な要因でもあった。

●新しい投資家の参入
 富の集中の高まりは、コロナ危機の最中に初めて株式市場に何百万もの新しい投資家が参入し、多くの人が株式の「民主化」と名付けたものにつながった。アメリカのフィンテック企業「ロビンフッド」は過去2年間で1,000万を超える新しいアカウントを追加し、現在は2,200万を超えている。それらの多くは、若くて初めての投資家によって所有されている。
 こうして市場はより広く所有されているが、利益と富はより広く分配されてはいない。新規投資家は多数かもしれないが、それでもまだ小規模で、ロビンフッドの平均口座規模は約4,500ドルである。(出典 CNBCニュース 2021年10月18日)