8 米国の光と影 ウクライナへの武器援助
現在もロシアから攻撃を受けるウクライナに、多くの武器が提供されている。こうした武器が、兵力で圧倒するロシア軍の進軍を遅らせる効果を上げてきたとみられている。この状況に、共和党所属でテキサス州選出の元連邦下院議員ロン・ポール氏は、彼のHP「ロン・ポール研究所」(2022.4.25)にコメントを載せた。以下はその抜粋。
●武器援助の利益
この武器援助に伴い、大きな利益を得ている業界として米軍産複合体がある。米武器メーカー、レイセオン社のCEOグレゴリー・ヘイズ氏は、株主総会で「最終的には武器を補充する必要から、ビジネスにメリットが見られる」と述べた。
レイセオン社は、ロッキードマーティン社や他の武器メーカーとともに、この機会をチャンスとして捉えた。米国はウクライナに30億ドル以上の軍事援助を約束した。彼らはそれを「援助」と呼んでいるが、それは実際には企業の利益となる。ワシントンは海外に送る武器のために、数十億ドルを武器製造業者に送金している。
多くの説明によると、ジャベリン対戦車ミサイル(レイセオンとロッキードマーティンが共同で製造)のような武器の出荷は、ウクライナに到着するとすぐに爆破されている。ウクライナでロシアが爆破した武器が多ければ多いほど、国防総省からの新しい注文が入ることになる。
●武器援助の副作用
元米海兵隊の諜報員スコット・リッターは、先週の「ロン・ポール・リバティ・レポート」で次のように述べた。そしてバイデン大統領はそれを知っている。
「我々が見ているのは、ロシア人が現代の米国とNATOの兵器をトン単位で捕獲し、さらに多くのウクライナ人を殺すためにそれらを使用しているということだ。なんて皮肉なことだろう。また、何千トンもの致命的なハイテク兵器が、ヨーロッパ中に潜んでいるテロリストに、どのような機会を提供することになるだろう。ワシントンは、ウクライナに送っている武器を追跡する方法がなく、悪者の手に渡らないようにする方法がないことを認めている」
(出典 Ron Paul Institute 2022年4月25日)