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5 米国の光と影 アメリカの貧困層

食料配給に並ぶ人々

 米国国勢調査局による2020年の評価では、2019年(パンデミック前)の貧困状態にあるアメリカ人の割合は、これまで最低レベルが引き上げられていた。しかし、2020年5月から10月の間に、パンデミック封鎖の経済的影響と、コロナウイルス支援CARES法による資金の終了により、約800万人が貧困に陥った。

●州の貧困
  米国では、4060万人以上が貧困状態にあり、主に賃金の不平等、インフレと貧しい教育が原因とされる。貧困の中で生活している大多数は教育を受けていない人々で、最終的には失業と犯罪が増加することになる。米国の州の中で、最も貧困率が高いのは、ミシシッピ州で19.7%(2018年)の貧困率だった。

●貧困の要因
 貧困は多くの場合失業によって引き起こされる。2007年の貧困率は、失業中の個人では21.5%だったが、フルタイム雇用の個人では2.5%だった。
 配偶者がいない女性世帯主の家庭で育った子どもの貧困率は、夫婦家庭の子どもの4倍以上であった。
 収入レベルは年齢によっても異なる。たとえば、15〜24歳の個人が世帯主である世帯の収入の中央値はわずか3万ドル(2009年)だったが、25〜34歳の個人が世帯主である世帯は5万ドル、35〜44歳の個人が世帯主である世帯は6万ドルに増加した。

●貧困と人種 
 米国の富の不平等は、1989年から2013年に増加した。収入レベルは人種/民族によって異なる。
 米国のすべての子供たちの21%が貧困状態にあり、黒人の子供たちの約46%、ラテン系の子供たちの40%だった。
 貧困率は黒人の夫婦で9.9%であり、黒人の子供のうち、夫婦から生まれたのは30%。
 ネイティブ生まれの白人と、帰化した白人の貧困率は同じ9.6%。
 一方、帰化した黒人の貧困率は11.8%に対し、ネイティブ生まれの黒人は25.1%で、人種だけでは所得格差を説明できないことを示唆している。
 すべてのマイノリティが、低所得であるわけではない。アジアの家族は、他のすべての民族グループよりも高い収入を持っている。たとえば、アジアの家族の2005年の収入の中央値は約7万ドルだったが、白人の家族の収入の中央値は約6万ドルだった。
 しかしアジア人は、黒人よりも頻繁に差別の発生を報告している。具体的には、2005年の黒人の26%と比較して、アジア人の31%が雇用差別を報告した。(資料 アメリカ版ウィキペディア