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8 石油戦争 パイプラインの認可(2016)

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パイプライン

 米国は他のどの国よりもパイプラインの距離が最も長く、天然ガス輸送で198万km、石油製品で24万km。2番目に長い国は、ロシアが16万km、次にカナダが10万kmである。
 石油会社が1860年代にパイプラインを建設し,それ以来彼らはその独占権を争ってきた。
 石油は1860年代から存在していたが、当時、石油を樽に詰めて輸送するのが最も一般的な方法で、業界はもっと良いものを必要としていた。2つの木の板を組み合わせて「V」字型にした最初の石油パイプラインは、1862年ペンシルバニア州オイルクリークバレーのフィリップス2号の井戸で生産された。
 しかし、高い輸送コストと労働争議により、石油会社はパイプライン技術の開発を続けた。1863年までに、ペンシルベニア州に、石油を500フィートの傾斜で移動させるポンプを備えた2.5マイルの鉄パイプラインが敷設された。そのパイプラインは、ポンプが故障してジョイントで漏れたので、「実験的」と呼ばれていた。1865年に、錬鉄と高度に強化されたジョイントを使用して、5マイルの土地で毎日1,950〜2,000バレルの石油を輸送する最初のパイプラインが登場した。
 これらのパイプラインはもともと、民間企業が石油の輸送を管理することを目的としていた。19世紀後半までに、スタンダードオイルは、アメリカの石油輸送市場の80%を支配したので、民間企業一社の手に渡るにはあまりにも石油は、重要な資源であったと、改革者たちは考えた。しかしパイプラインの問題が、公共政策の主題として国の舞台に現れたときには遅すぎた。

●政府との戦い
 最終的にはスタンダードオイルは、業界の完全な支配を放棄したが、政府がパイプライン事業に関与した後でも、民間業界がパイプラインの建設と投資について決定する方法はそれほど変わらなかった。この業界は常に介入に抵抗してきた。しかし、パイプラインの地主問題、パイプラインの安全管理の問題から政府の介入が自然の成り行きとなった。
・土地=パイプライン会社が民間および公共の土地所有者からROW(道のり)を確保する。ROWは地役権であり、土地所有者とパイプライン会社の両方が合意して署名する。
・管理=州間パイプラインは、州の境界を越えるため、すべて連邦エネルギー規制委員会(FERC)による許可を必要とする。資料 (ローラ・クラーク  smithsonianmag 2015.1.12),(石油およびガスパイプラインの紹介/ FracTrackerAlliance 2016年6月14日)