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12 国際事件賠償 ベトナム戦争枯葉剤後遺症

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ベトコンのいる地帯に枯葉剤をまく米空軍C-123

 ベトナム戦争(1955.11 – 1975.4)で、1961年から1975年にかけてゲリラの根拠地であったサイゴン周辺などに大量に枯葉剤が撒布された。撒布の目的は、ベトコンの存在する地域の木や茂みの葉を取り除き、敵の存在をより明らかにする目的で使用された。アメリカ復員軍人局の資料によれば、8万3600キロリットルの枯葉剤が撒布されたという。

 枯葉剤の樽のオレンジ色の縞から名前をつけた「エージェントオレンジ」と呼ばれる枯葉剤の後遺症に苦しむ退役軍人は、自分たちと子供たちの補償を求めて戦っている。この戦いは、議会のホール、法廷、そして全国の退役軍人会議で繰り広げられている。

 ベトナム時代には約900万人の軍人が現役で働いていたが、ベトナムに駐留していた人々のうち、約260万人がエージェントオレンジにさらされた可能性があると、米国退役軍人省は推定している。

 議会調査局からの2014年11月の報告によると、米国退役軍人省(VA)は1977年に枯葉剤の曝露に関する請求を受け始めた。1991年、議会は「エージェントオレンジ法」を可決。この法律は、化学物質への曝露に関連する特定の病気は兵役に関連すると推定され、医療給付の対象になると述べた。このリストはさまざまな癌、糖尿病、パーキンソン病、末梢神経障害、心臓病などが含まれている。ただし、これらの給付を得るには、「実際にベトナムの土壌に足を踏み入れるなどの必要があると議会調査局は書いている。

以下は、「エージェントオレンジ」の特典を受けているグループ。

ベトナムに従軍した人々

 2002年以来、65万人以上の退役軍人が、エージェントオレンジにさらされたために給付を受けているとVAは推定している。 (それ以前は、データを保持していない。)

 退役軍人省の「年次福利厚生レポート」によると、データが入手できる最新の会計年度である2013会計年度には、ベトナム時代の退役軍人の補償に210億ドル以上を費やした。これは、その年にすべての退役軍人に提供された492億ドルの給付と比較される。

 この数字には毎月の現金補償金が含まれているが、医療サービスは含まれていない。(出典「pro publica」2015.7.17 )