10 国際事件賠償 チャレンジャー号爆発事故(1986)
1986年1月28日、アメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が全員死亡した。
同オービタは、午前11時39分にフロリダ州中部沖の大西洋上で空中分解した。この打ち上げは、チャレンジャー号の10回目であったが、打ち上げ直後の事故のため、殆どの予定が遂行されなかった。
災害直後、NASAは、2隻のSRB回収船を打ち上げ、衝突地域に進んで破片を回収し、米軍の航空機と船の支援を要請した。回収作業が続けられ、3月7日に海軍救助艇は、乗員区画と思われる物体を海底で発見、翌日には搭乗員7名すべての遺体が発見された。大統領委員会は、爆発が固体燃料ブースターロケットのジョイントから漏れた高温ガスの噴流が原因と考えた。
●遺族補償
チャレンジャー号事故で死亡した4人の宇宙飛行士の家族は、連邦政府から合計770万ドル相当の長期免税年金を受け取り、ロケット製造業者は事故の責任を負った。
長期間にわたって家族に支払われる和解金の60%をロケットブースターの製作者チオコールが、政府が残りの40%をカバーすると仮定されている。チオコールは財務省に一括で464万1000ドルを、政府は309万4,000ドルを想定していた。(UPIアーカイブ 1988.3.8 )