シュールの本棚

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20 有名人と同性愛  平賀源内(終わり)

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吉原の前の源内

 平賀源内(1728ー1780)は、江戸時代の本草学者、蘭学者、戯作者。風来山人。1776年に長崎で手に入れたエレキテル(静電気発生器)を修理して復元する。大名屋敷の修理を請け負った際に、修理計画書を盗まれたと勘違いして大工の棟梁を殺傷して投獄され、翌月獄死した。享年52。蘭学仲間の杉田玄白(1733– 1817)らにより葬儀が行われた。

 源内は生涯独身で過ごした。その理由の一つに彼の男色趣味がある。狂歌師の大田南畝( なんぽ 1749ー 1823)の随筆『仮名世説』によると、「彼は芳町のみでよく遊び、北里(吉原)には行かなかった」とある。吉原は遊女の遊郭であるのに対し、芳町は男色街として知られていた。

 また現在自身の作品に『根南志具佐(ねなしぐさ)』があり、この話は地獄に行った男が閻魔の前で、男色は女色よりも害がない」と述べるところから始まる。同じく彼の作品「そしり草」には、「男色の戲れは、弘法(大師)唐土にて伝受して、日本に弘めしと云へり」と記している。参考