19 作家の死 モンテーニュ
モンテーニュ(1533-1592)の「エセー」は、古典から何を学ぶかを示してくれる貴重な本である。
死についての考えは、モンテーニュのすべての著作を通る糸のように走っている。彼は若い時に馬から落馬して意識を失ったことがある。この経験が彼の死の思索を導いた。
さて、1592年9月10日、医師はモンテーニュに「喉頭炎で、もう致命的である」と告げた。
3日間、彼は横になった。9月13日、意識はあるが話すことができない。彼はすでに遺書を作ったが、シャツを着てベッドから立ち上がった。モーニングガウンをつけると、キャビネットを開け、使用人たちに遺産を渡すために呼び、それを現金で支払った。そして人生の終わりが近いと感じて、妻に、友人と隣人にお別れをいいたいと、紙に紳士の名を書いた。彼らが到着したとき、聖職者がモンテーニュを励ましているところであった。
「この敬虔な紳士は、ベッドの上で両手を組み、できる限り前方に身を投げ出した。そしてこの最後の行為で、彼の魂は神に差し出された」と述べた。
出典 トーマス・ルーウィン「生と死の書」(1910) 63pより。背後はモンテーニュ城