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24 ローマの盛衰 ローマ誕生から2774年(終り)

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ロムルスとレムス像(写真timesofindia.indiatimes.com)

 ローマ市は、2021年にローマ設立2774年を迎え、それに関連したいくつかの行事が行われた。ローマ市の起源は、紀元前753年4月21日にロムルス (Romulus) とレムス (Remus)の双子の兄弟によって建設されたと伝えられている。現在も続いている4月21日の都市の祭典は、もともと牧歌的な饗宴である「パリリア」と呼ばれ、ローマ以前からその日は祝いが行われていたが、ローマの誕生として最初に祝ったのは第4代皇帝クラウディウス(AD 41 - 54)である。
ロムルスとレムス
 この双子は、軍神マルスとレア・シルウィア(アルバ・ロンガ=ラティウム王ヌミトルの娘)の間に生まれた。王の末弟のアムリウスは王位を奪ったが、兄の孫にあたる双子の復讐を恐れて、2人をテヴェレ川に捨てた。しかし双子は狼に育てられ、やがて豚飼いに引き取られ成人する。その後、2人は祖父の軍隊にとらえられ、尋問で孫と判明する。
 ほどなく兄弟は反逆者の大叔父を殺し、祖父を復位させた。兄弟は、自分たちが育てられた地に都市を建設することを決め、2人がそれぞれ選んだ場所のどちらが良いかを鳥占いで決めると、兄のロムルスに軍配が上がった。そこでロムルスが新しい町(Roma quadrata)の城壁を築くための線を引き始めた。それに弟のレムスが怒り、作業を邪魔したため、兄弟間で戦いが起こり、弟が殺されてしまう。ロムルスは弟を埋葬し、町に人を住まわせた。彼は38年間統治すると、姿を消したと云われている。(以上プルタルコスロムルス」より)