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6 上海の盛衰 百年前の上海旅行ガイド

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浦江飯店(アスターハウス・ホテル)

    上海の旅行ガイドブックは、今日たくさんの種類があるが、1913年の「旅行者の中国ハンドブック」は珍しい。それは中国全土をカバーするが、上海とその周辺の蘇州-杭州をカバーしている。
   1913年の上海は中華民国の初期で、外灘の有名ホテル、特に国際飯店(インターナショナルホテル1934年)、百老汇大厦(ブロードウェイマンション1935年)、和平飯店北楼(ピースホテルのノースビル1929年)はまだなかった。唯一以前に建てられた浦江飯店(アスターハウス1858年)があった。当時の最低宿泊料金は5米ドル(シングルルーム)で、今日の127米ドルに相当し、今日の市場価格よりもわずかに高い。
 この本の著者のカール・クロウは、米国ミズーリ州生まれで、1911年、コロンビアの記者として18か月間上海で働いた。第一次大戦後、彼は再び上海に来たが、1937年に上海事変の前夜に米国に戻り、1945年にニューヨークのマンハッタンで亡くなった。
 このガイドブックによると、北米の西海岸から、船で中国に行ける都市は、バンクーバー、サンフランシスコ、シアトルの3カ所。運賃は、ファーストクラスのキャビンが225米ドル(今日の約5800米ドルに相当)。ロンドンから上海に行くには列車が利用できる。北京には11日、上海には16日かかった。(来源:澎湃新聞 2018.12.23)