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24「仏教の秘密」 女人禁制 (終了)

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森で瞑想する尼僧(合成)

秘密24 女性が浄土に生まれるために

日本では、かって修行の場である寺院では、門前に「女人禁制」という札を立てた。女性は修行の妨げになると考えたからである。

●女性のいない浄土

 浄土の重要な説明は「大無量寿経」の初めにある。そこで仏陀は悟りを成し遂げて阿弥陀如来になった法蔵菩薩を取り上げる。

この浄土では、両親からでなく、自然発生(aupapaduka)によって蓮の上で誕生する。

そこには女性は必要でない。そして子宮とその役割は避けられる。

浄土は、定義上女性のいない土地である。浄土経典では、女性に助言するとき、阿弥陀の名前を聞くとき、女性の状態を軽蔑することを学ばなければならないと告げる。そうすれば、彼女らは浄土で男性に生まれ変わり、決して2度と女性として生まれない。

皮肉にも、浄土仏教は阿弥陀の名前を唱えるという単純な習慣は、より女性に近づきやすくした。

法華経」はこの点で露骨である。それは、そこで女性が再生しないと繰り返して言い、「性交はこの領域では知られていない」と断言する。

●女性が浄土に入る例

仏陀になって、浄土をつくると誓った女性として有名な経典は、『勝鬘経』(しょうまんぎょう)である。

それは、南インドで3世紀につくられた。主人公の勝鬘夫人は、ブッダの時代に生きた波斯匿(はしのく)王の娘である。仏陀が彼女に説教したとき、彼は彼女が仏陀になるという予測をした。そこで彼は彼女に浄土について簡潔に述べた。経典は、勝鬘夫人が男性に変わるかどうか触れていない。「大無量寿経」では、仏陀は説教をし、女性の状態を軽蔑しなければならないとする声明が含まれる。「勝鬘経」では、いかなる女性敵視の声明を含まない。南インドでの女性の地位はより好意的だったようである。

出典 セリニティ・ヤング著『遊女とタントラの配偶者』(2004)

「仏教の秘密」は今回で終了です。