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10「仏教の秘密」カントと輪廻

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最後の審判図を前に考えるカント コラージュ

秘密10 カントの輪廻思想はどのようにもたらされたか?

インドの輪廻思想に最も前向きな関心を示した作家の1人は、ドイツ観念論の哲学者イマニエル・カント(1724-1804) であった。

ケーニヒスベルク (現ロシア,カリーニングラード) のアルベルトゥス大学の地理学の講師として、彼はインドについての多くの講義をした。

インドの宗教に関する情報も、彼の講義の一部をなした。輪廻はカントを魅了したようである。

そして彼は、それがインドの宗教の基盤であると感じた。

「魂の転生は東洋人の素晴らしい概念であり、インド人の信条の基礎である。

カトリックが煉獄を持つように、輪廻は彼らの煉獄である。」

インドの宗教に関する彼の断片は、弟子の1人によって、地理学のカントの講義に含まれた。

輪廻に対する信仰は、カントの考え方に影響したようである。

「天体の一般的な自然史および理論」(1755年)の最後の部分に、カントは太陽系の惑星に住む存在について思索する。「我々の魂の可能性として、肉体の死後、もう一度これらの惑星の上の棲息は可能か?」

彼の本の終わりで、カントはさらに非現実的なアイデアを記した。

「不滅の魂は、我々の地球に未来永劫その存在をとどめられるか、墓でさえその役割を失い、それを変えるではないか?我々の時間がその終末を告げるとき、我々は宇宙に新しい場所を見つけるだろう。」

カントの「一般的な自然歴史」は、彼の同時代の人にほとんど知られないままだった。

カントは死の床で、新しい生を通して、もう一度魂の完成をめざすことについて言及したと主張される。

出典 CLAIMING KNOWLEDGE by OLAV HAMMER (Brill 2004)