シュールの本棚

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13 『日本の謎』 家康

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狩野探幽筆『徳川家康像』のコラージュ

謎12  『家康百箇条』に記されていたこと

『家康百か条』は徳川一家の家典とも政策ともいうべきもので、家康が子孫に教え諭すためのもので、将軍の他、大老に内示したもの。したがって徳川の法律である『徳川百か条』とは異なる。

そのなかで、現代では全く意味をなさない妻妾の項目がある。(時代の思想として記しておきます)

「一 妻妾の差別は、君臣の礼をもってすべし。妾は天子十二妃、諸侯は八嬪(ひん)、大夫(たいふ)は五(?)、士は二妾、その以下は匹夫なり。

 古聖これを「礼記」に記す。古今の常典なり。愚者は、これに昧(まい)し、愛妾のために本妻を蔑(ないがしろ)にし、大倫乱る。古今の傾城亡国者は、皆これより出ず。戒めるべき。これに溺れる者は忠信の士にあらずと、かねて知るべきこと」(有賀長雄『日本古代法釈義』より)

参考=ここにある身分制度は中国周代のもの。天子=皇帝、日本の大王・天皇の別号。諸侯=諸大名。大夫=卿 (けい) の下、士の上。士は支配階層の最下層。匹夫=官位のない平民。なお家康の場合、正室2人、側室=16人である。(愛知県岡崎市公式観光サイト岡崎公園より)